CA Log

CA Log #11
新規顧客を取り込むこと
既存顧客を育てること

2020.5.26

事業成長のために、新規顧客と既存顧客のどちらを重要視するか、と問われると、新規顧客と答える事業者が多いのではないか。もちろん、事業成長にはどちらも重要な顧客であることに疑いの余地はない。しかし、いま現在は新型コロナの影響下で、観光業や飲食業をはじめとして経済的損失は甚大。経済社会との隔離を余儀なくされている。果たして、これから先はどうなることだろうか。この状況下で未来や希望を描けない事業者は多いのではないか。
そこで、今あらためて考えたいこと。それは、この状況下となる少し前、みなさんの事業は誰に支えられていたかということだ。どんな顧客の顔が思い浮かぶだろうか。そこには、たくさんの希望に溢れる出来事があったはずだ。

というわけで、今回は、顧客とLTVについて、簡単に考えてみたい。LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」と訳される言葉だ。顧客が一定の期間を通じて企業にもたらす利益のことを指す。一般的には顧客の商品やサービスに対する愛着(顧客ロイヤリティ)が高い企業ほどLTVが高くなると言われている。マーケティング上、非常に重要な指標のひとつだ。
たとえばスーパーマーケットだと「1年間のうち、週に5回、2,000円くらいの買い物」といったデータの様に、どのくらいの期間の「来店年数」と、1週間のうちの「来店頻度」、1回の「購入金額」からLTVを算出できる。化粧品、アパレル、スポーツ用品、自動車関連、旅行商品など、挙げるとキリがないが、どの商材の場合にでも考慮したい指標だ。


一般的にどの市場でも新規顧客はほしいものだ。事業規模拡大に直結する「新しいお客さん」を求める。当然だが、新規顧客には、いちから「商品・サービスの魅力」を説明しなければならない。その商品・サービスを好きになってもらわなくてはならない。そのために、多くのエネルギーを使って説明し、ステップを踏んで顧客化へ導いていく。
それに対して、すでに「商品・サービスの魅力」を知っていて、かつ購入履歴のある既存顧客に「もう一つ買ってもらうための施策」をなす方が、少ないエネルギーで済むというわけだ。一般的に新規顧客を獲得するコストは、既存顧客の関係を維持して得られる同収入額と比べて、5倍のコストが必要、とも言われている。企業にとって、どれだけ既存顧客の維持が大切か、ということがよく分かる。
いわゆる「パレートの法則(2:8の法則)」が当てはまる。
そして、当たり前の話だが、いつも買ってくれる顧客と、ときどき買ってくれる顧客、たまに買ってくれる顧客など、顧客ロイヤリティによってアプローチする方法を変えていかないと、うまく到達しない。メンバーシップのステージをお知らせしたり、期間限定クーポンを発行、購入ごとにポイントをプレセントなど、既存顧客の状況によって施策を準備するが、また機会があれば「CRM」についても紹介したい。

新規顧客にばかりオファーを出して、既存顧客を疎かにすることがあってはならないし、既存顧客にも醸成ステージがあり、施策には長い期間を要するものなのだ。

LTVを高めるためには、顧客に他では手に入らない絶対的な価値を提供することだ。そして、商品やサービスブランドのファンになってもらうこと。ファン化した顧客は、企業に対して、愛着と承認意識をもつことになる。そして、注目したいことは、ファン化した顧客は友人や知人に勝手に情報を拡散してくれることだ。だから私はお伝えしたい。今の状況下は、事業成長の中核である2割の既存顧客を大事にすること。改めて、withコロナや afterコロナを見据えて、事業の在り方を彼ら・彼女らと一緒に創っていく。そういった取り組みが新たな価値をもたらす可能性が高いことを。こういった事業の地盤固めを改めることで、地域のプレイヤーは様変わりするのかも知れない。それはもはや、一事業者視点で生み出されることではないのかも知れない。こういう取り組みはLTVを飛躍的に押し上げる。ぜひチャレンジして貰いたい。
弊社としても、クライアントの新規顧客の取り込み、そして既存顧客の維持と成長を全力でサポートしていきたい、と考えている。


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